こもれび日記

お氷様

こんにちは、やべです。 暑い日が続きますね、ついつい冷たいものに手が伸びてしまいます。今でこそ冷蔵庫を開ければいつでも氷ができていますよね、でも電気のなかった江戸時代に夏に氷を食べるなんて夢のような話でした。 江戸時代に行われていたことですが、毎年7月になると加賀藩の氷室から切り出された氷が幕府に献上されていました。これは「お氷様」と呼ばれ厳重に梱包されて、現在の石川県から東京までの約500キロを運搬されたそうです。文字で書くと簡単ですが、車もない時代に氷が解けないように運ぶのは苦労の連続だったようです。 この氷を運んだのは、氷奉行と呼ばれる役人と飛脚でした。とにかく時間との戦いですから、通常10日はかかる道のりを、彼らは昼夜を問わず走り続け5日程で江戸まで着きました。500キロを5日ってことは単純計算で1日100キロですよね・・・考えるだけでも恐ろしいですね。そのうえ江戸に着くまでに氷が解けてしまったら切腹は免れません、彼らにとっては命よりも重い氷だったのです。 苦労して運ばれた氷は将軍に献上されますが、どうやら食べるためのものではなく、触ってひんやりとした触感を楽しむものだったようです。 う~ん、なんという贅沢。江戸時代恐るべし。

2012年8月21日