こもれび日記
メロンメット
高校野球の埼玉県大会もいよいよ大詰めに差しかかり、明日はベスト8が出そろいます。
去年まで息子がお世話になっていたチームも、後輩たちの頑張りで残っています。
私も休みの日に母校の応援に球場に行ったり、テレ玉で試合経過を見たりしていますが、普通の人はほぼ目に止めないであろう、ある部分に、どうしても目が行ってしまいます。
それは『メロンメット』と呼ばれるサポートメンバーの存在です。
『メロンメット』とは、各チームベンチ入り選手の他の3名が、試合開始前のノック時の球出しや、試合中に外野の壁際に座ってファウルボールの処理をする等のグランド内でのサポートをする役割の人のことです。メロン色のヘルメットをかぶることになっているため、そう呼ばれています。
『メロンメット』は、大概、2年生がやることになります。
なぜなら、ベンチ入りできなかった3年生は、スタンドでメガホンを振って歌い、踊り、水をかぶって盛り上がり、選手と一緒になって精一杯応援することで、自分の3年間にふんぎりをつけるからです。辛かった思い出も、ベンチ入りできなかった悔しさも、そうすることで洗い流すのです。
ところが、去年、「3年でやりたい奴いるか?」とのコーチの問いかけに、誰かがやらなければいけないと勘違いした息子が、「はい」と手を上げてしまったらしく、結果、彼は3年間の最後の瞬間を、外野の壁際で一人ポツンと迎えることになってしまったのです。
仲間と応援で声を枯らすことも、盛り上がることも、更には同じユニホームを着ることもできず、どんな気持ちでその時を過ごしていたんだろう‥。
そんなことを考えると、今年もメロンメットの子を見るたびに、私の心の奥の方がチリチリっと痛むのです。
当の本人が「いいんだよ。自分がやるって言ってやったことなんだからさ。」とケロっとしているのが救いです。 がんばれ息子よ!!
☆なかまち☆
2013年7月22日